通院?それとも仕事?
「はぁ?!午前休?こんな忙しい時期に何考えてんの?昼イチの会議絶対遅れるなよ!」
先月から申請していた休みについて朝から嫌味を言われ、糖尿病クリニックへ向かう足が重い、、捌け口のない怒りをアスファルトに小さく擦り付ける。
お爺さんお婆さんで溢れかえっている待合室、、いつもの光景だ。
簡単に受付を済まし、待合室の隅に腰掛けると、疲れ切った表情のサラリーマンが頭を抱えているのが目に入った。彼もまた、同じような状況にあるのかもしれない。彼の隣の空席に座り、ほんの少し安堵を感じる。
予約時間になっても自分の名前が呼ばれることはない。これもいつも通り、15分以上は遅れる。ノートPCを膝の上で開き、電源を立ち上げる。
上司から追加の資料を会議までに作成するようメールが来ていた。彼は有給という概念を知っているのだろうか。
名前が呼ばれ、診察室に向かう。いつもの医師が既にパソコンの画面を見ながら何やらメモを取っている。「どうですか、最近の体調は?」との問いかけに、「いえ、相変わらずです」と答える。「では、いつもの処方出しておきますね。」
いつものやりとりを終え、診察室を出る。このやりとりの為だけに、毎月上司に嫌味を言われていると考えると、悲しくなる。
もう限界だ。理解のない会社や上司が悪いのか、病気になった自分が悪いのか、病気になりやすい自分の家系が悪いのか。
考えても仕方がない、妻や子どもがいる自分には選択肢などない
会社を辞めるのか、通院を辞めるのか
答えは明らかだ。